2012年10月10日水曜日

組織戦略の考え方~意思決定できない組織~

組織作りの基本は官僚組織である。
様々な組織形態が試されてきたが、
基本はやはり、官僚組織である。
私が、クライアントから依頼されて、組織を作るときも、
オーソドックスなものを作る。
組織作りに奇策はない。

しかし、理想の組織というのはなかなか作れるものではない。
なぜなら、組織は紙の上で完成するものではなく、
所詮は人間が動くものだからだ。

理想の組織にするには、
組織を作った人の思った通りに動ける人が100%必要になる。
そんなことは有り得ない。
特に、マネジメントレベルとなると、完全に人が足りないというのが普通だ。
「誰か外にいないかなぁ」というのが、
ほとんどの経営者の決まり文句になる。

そして、その組織を完全に活かすためには、
トップの意思決定が不可欠となる。
実はこれができない会社もかなり多い。
以下、これを読んだ方が理解が早いので引用する。


「わが社では、トップが決断できない」という場合もあるだろう。
・・・
社内の公論がまっ二つに割れるような状況では決断できずに、
決定を先延ばしにしていってしまうことが生じる可能性がある。
トップが決断できない人であっても、
トップ周辺の人間がトップに無理矢理に決断を迫ることができれば、
どうにか組織は動いていくだろう。
・・・
しかし、「そのトップ周辺の人々も決断できない」という会社の場合には、
これはもうどうにもならない。
早々に転職を考えるべきであろう。」

『組織戦略の考え方-企業経営の健全性のために』沼上幹 ちくま新書より引用


といっても、こういうトップを戴く会社は、
遅かれ早かれ崩壊することは間違いない。

組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために (ちくま新書)

緊急時対応不足な日本の医療

昨日の深夜、三歳の息子が急に中耳炎になり、川越救急クリニックへ。
小さな子は、突発的に病気になることが多く、
我が子もこれで三回か四回は夜中や土日に診てもらっている。


以前、この川越救急クリニックについてブログ

イジメられてる!?奮闘中の川越救急クリニック

に書いたが、
このブログ、実はかなりのアクセス数があり、
関心の高さを伺わせる。

日本の病院は、ほとんどが土日祝日は休診。
おまけに火曜休診とか水曜休診とかいうところも多い。
しかし、病気は急に襲ってくる。
我慢できる大人ならまだしも、子供は何処が痛いのかもハッキリ伝えることも難しい。
そんなとき、病院は唯一の助けとなる。

日本は医者が足りないらしい。
これから、医療難民もでかねないということも聞く。
では、国や自治体は何をしているのか?
川越救急クリニックのような、国民のためになる病院に他と同じ待遇すらしていない。
小児科も減っているらしい。子供が産まれるときに何かあって、
裁判になるということもあるということなども原因となる。

川越では愛和クリニックという産婦人科が川越の90%を超える子供を扱っているらしい。
どう考えてもおかしい。
国は、この少子化という時代に、子供が安心して産める環境を整えなければならない。
それは、金銭的なことは勿論、医療や教育、出産、すべてを整えなければならない。
今回の野田改造内閣では、少子化担当相が、金融担当大臣と兼務らしい。畑違いも甚だしい。
人が一生を安心して過ごせる国家過ごせる作りが政治のなすべきこと。

・安心して出産できること
・いつでも安価に医療にかかれること
・高度な技術力
・医療関係者が安心して医療活動ができること

があげられる。
それには、いまより多くの社会保障費がかかる。
その分、他から削るしかない。
また、これをやることで、医療ビジネスからの税収も増えるはずだ。

2012年10月1日月曜日

WBC監督問題について

WBC監督が誰になるのかがなかなか決まらない。

王監督は既に現役を退き、秋山監督や原監督は現役であるが故に、辞退。
落合元監督は、100%ないと完全拒否。
いま、白羽の矢が立っているのは、山本浩二元広島監督である。
しかし、既に10年以上、現役から遠ざかっており、
素人の自分も、ちょっと心配だ。
個人的には野村監督などが、手腕もOKだし、
現役退いてからもそれほど経っていないので、いいのではないかと思うが、
候補にもなかなか上がらない。

この問題は毎回4年毎に起こりうる。
数年前に星野現楽天監督がオリンピックの監督をやって、
メダルを逃したときに、相当なバッシングがあった。、
このことも、今回、拒否する人が多い理由の一つではないだろうか?
それも、2回連続で優勝している大会である。
プレッシャーは相当のものである。

毎回揉めることが想像できるのであれば、
ルールを決めておけばいいのだ。
その年(もしくは前年度)の、日本チャンピオンチームの監督が、
WBCの監督になる。
前年度にした方が、周囲を固めるコーチを決めておいて、
現役監督がペナントレースを戦っているときも、
情報収集や選考ができる。
つまりは1年前から準備をしておくということだ。

日本プロ野球機構は、WBC参加問題でもリーダーシップを発揮せずに、
選手に任せた格好になっていた。
こういうときに、リーダーシップを発揮しなければ、
そもそもいらない組織になってしまう。。。


2012年9月29日土曜日

「動機善なりや、私心なかりしか」稲盛和夫氏の経営

「動機善なりや、私心なかりしか」

京セラの稲盛和夫会長のお言葉である。

「稲盛和夫 独占に挑む」渋沢和樹 日経ビジネス人文庫
は、電電公社(NTT)の独占体制を壊し、
日本の通信料を安くするために稲盛氏を先頭に戦った記録である。

稲盛和夫 独占に挑む (日経ビジネス人文庫)

私が大学生のころには携帯電話は一般的ではなく、
車載用電話も異常に高かった覚えがある。
携帯電話は私が働き始めてから一般的になってきたので、
20年程前になろうか?
大学の時に携帯電話があったら、生活もかなり変わっていたなぁと、
今の学生を羨ましく思うこともある。

一応、述べておくが、稲盛氏が作った会社は、今のKDDI。
”au”の携帯電話を販売している会社でもある。

稲盛氏はこの会社を全くのゼロから立ち上げている。
インフラは何もない状態からの立ちあげだ。
当時、通信の自由化が国家政策として打ち出されたものの、
稲盛氏の会社しか完全民間会社はなかった。
他の新規参入通信会社はいずれも鉄道や高速道路を擁し、
全くの徒手空拳の会社だった。
しかし、たった8年で上場企業となった。
完全なゼロから立ちあげたこのウラ話は何とも凄い。
凄すぎます。

しかも、稲盛さんは上場時の株式は一株ももらわず、
さらに給料すらもらっていない。

まさに、
「動機善なりや、私心なかりしか」
と、この会社を設立するときに、
稲盛氏が自らに何度も確認した通りの行動を起こした。

自分も日々の行動を反省しなければならない。
動機善なりや、私心なかりしか」と・・

2012年9月18日火曜日

人間のやることは昔から変わらない~『三国志第11巻』宮城谷昌光~

宮城谷三国志もついに11巻。

既に曹操、劉備、諸葛亮孔明も亡く、唯一残る創業者の一人は呉の孫権のみとなっている。
その孫権も老いて、国を乱す基になってしまい、陸遜まで無実の罪で殺してしまう。一方、魏も皇帝、丞相に人物が居らず、司馬氏一族のみが三国での残る英雄といった情勢に!その司馬懿も病により亡くなり、話は次代へ。

国のTOPである皇帝、丞相が腐れば、自然と国家の幹は腐っていく。歴史の短い魏、呉、蜀はその腐り方も早い。次に中国を制するのが司馬一族というのも、ここまで読むと必然に思えてくる。

国も会社もどんな組織も、TOPばかりでなく、上層部が腐る、つまり
・私益に走る
・権力獲得合戦を社内で行う。敵は競合他社ではなく、社内になっている。
・社内に仮想敵を作る文化。
・私党を作る
・TOPが責任をとらない
・・・・
こうなれば、どんな組織も崩壊する。

歴史は、いろいろなことを教えてくれるが、逆に考えると、昔から人間のすることは変わっていない。残念なことでもある。


三国志 第十一巻

2012年9月3日月曜日

選挙制度改革

政治を変えるためには、
選挙の仕組みを変えることもひとつの方法だ。

当然といえば、当然であるが、
政治家に選挙制度を任せれば、
自分にとって一番有利な方法を選挙制度に取り入れる。
選挙制度は、国民から成る選挙管理委員会というようなものを作り、
定期的に見直すのがいい。

選挙とは離れるが、
政党助成金というのも、かなりおかしな制度のように思える。
自分たちがお金をもらう仕組みを自分たちで作るのは、
社員が自分たちで給料を決めるようなものだ。
こういうものも、国民から成る委員会のようなものに任せる仕組みを作るといい。

さて、選挙制度であるが、
選挙は
1)志ある人が誰でも立候補できる
2)お金の有無が関係ない
3)有権者が理解しやすい
ということが柱となるべきと考える。

すると、制度としては、下記のようなものが望ましいのではないか?
1)立候補の際の、供託金をなくす
2)選挙戦は、インターネットと新聞折り込みのみとする。
 現在も使えるお金の上限は決まっているが、怪しいこと甚だしい。
 インターネットやSNS、新聞折り込みによってのみ選挙ができることとし、
 内容は原則として自由とする。
3) 話題のトピックに関しては、それぞれの候補者の意見を発表する。
4)これまで通りNHKで候補者の演説を流し、さらに公開討論会を開き、それもNHKで流す。

供託金をなくすと、変な人が立候補してしまうのではないかという人もいるだろう。
今でも変な人はたくさん立候補して、当選してしまっている人もいる。
何も変わらない。
立候補者が増えるということもあるかもしれない。
それはそれでいい。国民が選ぶことだ。
 

2012年9月1日土曜日

経済とは、民を済うこと。いかにして世を治めるかが問題

世濟民(けいせいさいみん、経世済民)とは、中国古典に登場する語で、文字通りには「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」の意。
-Wikipediaより抜粋 -

上記の如く、経済とは

「世を治め、民を済う」

ことである。
しかし、今は苦しみしかもたらしていない。

世を治めるということができていないからだ。
いかにして世を治めるかということが古来考えられてきた。
国民は主権を手にしたが、本当に手にしているのだろうか?
確かに選挙権は持っているが、国民が期待したことは蔑ろにされ、
期待していないことばかりが実現されていく。
そして、政治に期待感はなくなる。
自殺者も13年連続で3万人を超えている。
この数は、昨今の戦争でもない数字だ。
戦争以上の人が、この平和な日本で自ら死を選んでいる。

いかにして世を治めるのか?
それは、『国民のために真に何をすべきか』に立ち返るしかない。
それは決して消費税なんかの問題ではない。
ましてや、衆議院の議員数の問題でもない。

いかに暮らしやすい世の中を作るいかということだ。