2012年5月17日木曜日

盤石な会社を作る9つの方法

会社が安定的に利益を出すには、いくつかの法則がある。
その法則を少しずつでも築いていければ、収益面では盤石な会社ができあがる。

1)顧客数の確保
なるべく多くの顧客を確保し、売上の分散をする。
一つの会社に売上の多くを依存している状態は避けなければならない。
多くとも1つの顧客の売上シェアは20%以内にしたい。

2)複数事業の創造
一つの事業では景気の波や法律改正などの突然の変化に対応できなくなる。
複数の事業を走らせて、複数の収入源を確保することで、
安定性が増す。

3)固定収入の確保
極端な話、毎い月売上ゼロから売上を築いていくというのは、
非常にリスクが高い。
毎月、少なくても、例えば、アウトソーシングのような1年以上の契約がある売上を
確保しておくと、経営が安定する。

4)固定費の削減
固定費、つまりは、売上が上がろうが上がるまいがかかる費用をなるべく減らすことだ。
ほとんどの会社は、人件費が最大の固定費になる。
人件費もやりようによっては変動費になる。
工夫しよう。

5)固定費の変動費化
固定費は、なるべく変動費化するべきだ。
変動費とは、売上に比例してかかってくる費用のことだ。
人件費その他、なるべく多くの費用を固定費から変動費にかえることで、
売上が少なくなっても、費用が少ないために、耐えられる。

6)人件費の抑制
給料というのは、
『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』
という本によれば、労働力に比例して上げ下げするものではない。
人件費を抑制するためには、なるべく労働価値の低い仕事で、
売上が上がる仕組みを築くことが重要だ。

7) 銀行借入に頼らない
銀行は調子のいいときには、いくらでも貸してくれるが、
悪くなると途端に態度が変わり、貸してくれなくなる。
経営を銀行に頼るようになると、その会社は終わりだ。
銀行からは原則として借りない。
資金調達は、投資家からの調達など直接調達にすべきだ。
その場合は、当然、投資家に利益をもたらす必要があるが・・。

8)マーケティングの実施
事業環境というのはめまぐるしく変わる。
マーケティングを行うことがリスクヘッジにつながる。
当然、100%成功する事業などない。
しかし、成功の確率は確実にあがる。

9)マネジメントの充実
多くの企業では、マネジメントという言葉はよく使われていても、
実際にマネジメントが行われている企業は少ない。
しかし、マネジメント機能がなければ、
組織を成功に導くことはできない。

簡単そうに、9つ書いたが、
それぞれを実行することは非常に難しいかもしれない。
しかし、社長一人でやる必要もない。
できる人にアウトソーシングしてもよし、
パートナーとやるもよし。
そのぐらいの投資は、効果の方がはるかに大きい。

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)














2012年5月16日水曜日

組織を崩壊に導くTOPの優柔不断

良くも悪くも、TOPの意思というのは統治構造の柱となる。

企業であれば社長、国であれば首相や大統領である。
これが、ブレるということは、所属する組織の土台が揺れ動くことにつながる。

ある企業で、ある事業を今後は会社の柱として進め、
あらゆる資源をこの事業に投入するという意思決定をし、社内で発表をした社長がいた。
しかし、その後話してみると、
『どうしようかなぁ』
と言っている。
『あれ?決めたんじゃないんですか?』
と尋ねると、
『一旦言ったものの、どうしようかと思って・・・』
と言っている。

まあ、悩むのは構わないが、
だったら、まだ発表しなければいい。
すでに社員たちは、社長の号令の下、走りだしている。

その後、その社長は、号令を撤回した。
損失額も多額に登った。
そして何よりも、社員たちの労力も無駄になった。
しかも、謝罪すらない。

こういう状態では、会社は成り立たない。
それは、 統治の根本がぶれているからだ。

かつての首相でも、言うことがすぐにコロコロ変わる人がいたが、
当然、すぐに退陣することになった。

こういう人たちはTOPにふさわしくないのだが、
なってしまったものは仕方がない。

朝令暮改が悪いわけではない。
誤った判断はすぐに訂正すべきだろう。
しかし、柱となるものについての判断がブレるということは許されない。

マニフェストで発表したものは柱となる政策だ。
これを、ないがしろにして、全く発表していない増税をはじめるというのも、
柱のない政権と言える。
統治構造が確固としていない。

統治の柱ということ、
意思決定の重み
ということを深く深く考えなければならない。


ビジネスの基本中の基本である会計を知る術

ビジネスをしていると思うこと。
それは、会計を知らないと、たいしたことは言えないということだ。

ビジネスは様々なもので成り立っているが、
組織が生き残る根本といえる会計という知識がないと、
全くかけ離れた発想、回答をしてしまうことになる。

確かに様々なことを考えるときに、
例えば資金の制約などといったことを考えるべきではない。
しかし、それはアイディアを生み出す作業のときのことだ。

アイディアをいざ実行にうつすときには、
様々な制約について考え、
いかに実行できるのかを考えなければならない。

会計知識が少しでもあれば、
馬鹿にされない程度の最低限の話はできる。

かといって、
仕訳などの経理業務を勉強するということではない。
会計というもの、会社がどうやって成り立っているのかということを、
理解するということだ。

私にとって、若い頃に読んだ本が、会計のなかでは、今でもバイブルだ。
京セラ会長・稲盛和夫氏の「実学」である。
稲盛氏は技術者出身の経営者である。
だから、経理のことなどはわからなかった。
しかし、経営者である以上は知らなければならないと、
自分なりに肌に感じながら勉強していった様が書かれている。
会計というもの、会社はどうやって成り立つかを知るには最高の本である。

この薄い本を読めば、
会計が少しは理解できるはずだ。


稲盛和夫の実学―経営と会計

2012年5月15日火曜日

”見極める力”を身につけるには?

経営を行うものには、物事を

”見極める力”

が必要だ。
経営者には多くの情報が入ってくる、
そしてそれを取捨選択しなければならない。

怪しげな儲け話
世の中のトレンド
社内の様々な噂話
などなど

こういう話をすぐに信じて確信に変えることは本当に危険だ。

今の世の中、新聞やテレビの報道ですら、いや、国家の発表ですら、
怪しい情報は多い。
すべて自ら調べて判断する癖をつけないと、
本当に判断することは危険だ。

社内の噂話や、事業判断なども、
人の意見を聞くという姿勢は重要であるが、
それは頭ごなしに信用するということはしてはいけない。

そこには、それぞれの情報を
”見極める力”というものが必要となる。

こういう能力はどうすれば身につくのか?
1)自ら調べるという癖づけ・・・裏取り
2)先を見通す力 ・・・このままいけばどうなるのかという想像力
3)決断力・・・実務に適応した決断力
4)視点・・・すべてを見通す大きな視点
これぐらいあれば、”見極める力”というのは備わるはずである。

まぁ、それが難しいのですが・・・





組織拡大のための秘訣

社会においてももちろんそうだろうが、
企業組織において”人を信じる”ということは非常に重要である。

”人を信じる”から、人に仕事を任せることができる。
”人を信じる”から、組織は大きくなれる。
”人を信じる”から、売上も多くなる。
”人を信じる”から、利益も多くなる。
人を信じないことには、会社は大きくならない。

しかし、人に仕事を任せられないという人は多い。
理由は、

「自分の仕事がなくなるから」
「危なくて任せられない」
「大事な仕事だから」・・・
これはすべて間違った考えだ。

今までやってきた仕事を人に任せて、
自らは自らの新しい価値を見出せばいい。

大事な仕事ができる人を増やすことが、
組織の強さになり、会社の強さになる。

また、経営者でも”人を信じる”ということができない人は多々いる。
特に創業経営者に多く感じる。
これまで1人でやってきた自負もプライドもあるのだろうが、
これでは、会社は大きくなれないし、
いつまでも最下層の仕事を社長がやっていなければならなくなる。
そして、人を信じない経営者には、人はついてこなくなる。
これは、組織崩壊につながる。

”人を信じる”ということは、簡単そうで難しい。
そして、信じた結果、裏切られることも多い。
というよりは、ほとんどがそのケースになるのかもしれない。
しかし、それでも、”人を信じる”ということをしなければ、
会社の拡大は果たせない。

であれば、

裏切られようが、”人を信じる”しかない!

2012年5月14日月曜日

かわいそうなビジネスリーダー

全体像を見えない人がビジネスリーダーや管理職、経営者になることは非常に怖いことだ。

なぜなら、目先のことで終始してしまうからだ。

ビジネスだと思ったことが実は、ビジネスにはならない。
全体が見えないから、ビジネスを仕組み化するということができない。
会社の利益は、(売上ー経費)であるということを頭でわかっていても、体ではわかっていない。
キャッシュ・フローという概念がわからないため、金をアホみたいに使う。

信じられないことかもしれないが、
こんなことが実際に起こる。それも頻繁に。

こういう人はビジネスリーダーになってはいけない。
もし、請われたら、断る勇気を持たなくてはならない。

私の知り合いは、自分が社長に相応しくないと、
自らを降格して、部下を社長にしようとしている。
これはすごい決断である。
尊敬に値する。

断る勇気といっても、こんなことが普通にできる人は少ない。
上にあがればあがるほど、影響力は大きくなる。

いま、役職者になりたいという人は減っているらしい。
責任が重くなるというのが原因らしい。
そういう人は、そのままでいた方がいい。
そういう心構えで、上にたつことは不可能だからだ。

それを避けるためには、

大きな視点

を手に入れるしかない。
これは、会社で仕事をしている人はもちろん、個人で仕事をしている人も同様である。

ノマドブームの原点は「人に仕えることは人に縛られること」

『人に仕えることは、人に縛られることだ』

この言葉は、『奇貨居くべし(春風篇)』宮城谷昌光の一節である。
私にとって、この言葉はこの5冊もの長編のなかで、最も心に残る一節となる。
長きに渡り、私も会社に所属してきた。
そして経営層として取り立てていただき、多くの勉強をさせていただいた。
多大なる感謝もあるが、やはり、残念なことに、
この言葉をどうしても思い出さざるを得ない場面は多々生じる。

当たり前のことなのかもしれない。
資本主義社会において、資本家が一番の権力者である。
中小企業においては、ほとんどの場合は資本家=社長である。

この小説の主人公である呂不韋は、更に思う。
『・・・官途において累進するということは、自己の表現のはばを広げるというより、むしろ逆で、自分を殺し続けることになるのではないか。それなら、高官になりたいという夢は棄てた方がよい。ただ高位にすわるのは、いたって不自由で、人の情をうしなった自己である。』

これは、小さな企業から国家において、現在も当てはまる言葉ではないだろうか?
不自由さ、人の情を失うことを避けたい人が、
フリーエージェントになることを求め始めたのが、

ただ、これは、
「自由にやりたきゃ、一人でやればいい」
という簡単な言葉で済むことではない。

松下幸之助氏のように、人の意見を尊重して経営を行なってきた人もいる。
自己のはばを広げられる居場所もないわけではないと思っているし、思いたい。
自分を殺し続けることになるぐらいの居場所であれと思う人は、、
やはり今の居場所は棄てた方がいいのかもしれない。


奇貨居くべし―春風篇 (中公文庫)